お陰様を持ちまして、江戸(しぐさ)の良さを見なおす会(茶論)も、結成以来ちょうど35年になりました。本当にありがたいことで、支えてくださった皆様方にはこの場を借りて感謝御礼申しあげます。
今年からは「江戸の良さを見なおす会」として、本来の江戸の心を世間さまにより一層感じていただこうと思い、「出前講」や書籍等による活動の幅を広げて行こうと考えております。まだまだ大勢の方が「江戸しぐさ」と江戸のシグサを混同なさったり、単に古いマナーと誤解なさっているように思われます。芝氏がおまとめになった様々な文献を基に、皆様に解り易くお伝え出来れば幸いです。
本年度も、貴家のご清福と貴尊のご無事をお喜び申しあげるものでございます。
- 2009年 年頭 和城伊勢 -
さて、楽しいお正月いかがお過ごしでございましたでしょうか? 今年はちょっと長いお正月休みでざいましたね。
お正月といえば、その言葉を聞いた途端にお子さまがいきいき輝く「お年玉」でございますが、江戸では、お金ではなく、大家さんが店子に贈った、御餅のことだったようでございます。芝氏はこうお書になっています。
(江戸っ子新宝より。一部抜粋、ママ)
[ ですから、江戸っッ子の流れをくむ家庭の子弟にね、うっかりお年玉やってご覧なさい。「ボクはこじきではありません!お金はいりません」と言いますよ。でも「ニュー イヤーズ ギフトならください」だって。こじっかりしてるね。さすが現代の江戸っ子、いや東京っ子ですね。お互い考えなくっちゃね・・・。]
また、大人がいきいき輝く「福袋」でございますが、これも、年の暮れ「江戸の講」に集まり、どのようようなものにするか? みんなで知恵を出し合ったようでございます。つまり講は、商売繁盛の始めの一歩なのです。
他にも、「恵方詣」は、江戸恒例の行事でございました。お店は自分の店の前を通ってお参りできるようなテダテを考えたそうでございます。また「福歩き」も同様でございまして、お互いのしぐさを見なおす良い機会であったそうです。物を食べながら歩いていると、「動物シグサといって、笑われた!」というのですから・・・。
今も昔も、お行儀の悪さに対する厳しい目は必要なのですね。
最後に「お年賀状」ですが、これも虚礼、つまりうわべだけの礼儀ではありません。芝氏はこうもお書きです。
(江戸っ子新宝より。一部抜粋、ママ)
[ しかしね、キミ、年賀状はね、虚礼つまり、うわべだけの礼儀ではないんだよ、
あれはね、江戸ではね、自分自身と自分の友と、御仏(みほとけ)さまと、ご先祖さまにの四方に、自分が生きているというペナントとメッセージを送るコールサインだ!と教えられたもんだよ、
コールサインのない放送局はないからね...、
だから、ケンカした友だちにも出すんだよ...、一方よしたって、まだ三方分残っているんだからね、
それを覚えておけよな。]
※江戸っ子新宝は「江戸の良さを見なおす会」ギャラリー頁に公開予定です。
今回はここまでとさせていただきます。ごきげんよう!
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