2009年1月22日木曜日

芝氏のご命日によせて

 1月22日は私の恩師である芝三光氏のご命日にあたります。
 会のHP内ギャラリーでは、「5万円で自分でテレビを作る」を考案なさり、その記念写真と如月放談(冬の夜話)のテレビ司会のをしていらっしゃる若き頃のお写真を掲載しました。これらは共に、ポピュラーサイエンス社の編集をなさっていらした頃のものですが、普段から生き生きとしてらした瞳が一段と光輝いて見えるようでございます。
 体を壊し、その会社は長く続かなったようでございますが、江戸っ子はいやなことが起こると、全てをクリヤーして、新天地に挑戦するように体が出来上がっているようでございまして、その後の切り替えもすごいと思ったり、面白く思ったものでございます。
 また、昇進のお話しが来るとそれは他の方へとお譲りなっていたようで、これは哲学というか、考え方というか、一般の方にはあまりご理解できないことではないでしょうか。芝氏のこの他のお話でも、これが「江戸しぐさ」なんだなぁと感じたことが数多くございました。
 今日は朝から、大橋料理塾・お稽古事・講演会(神田学会・自然と共生する都市・都心における大きな可能性というタイトルで石川幹子さま)を聞いて参りました。
 どこの講演会でも江戸の良さを見なおしている点、嬉しく思ったり複雑な気分でございました。

 1月13日から、国際基督教大の湯浅八郎記念館で幕末から明治時代に活躍した絵師、揚州周延(ヨウシュウチカノブ)1838~1912年)特別展「帰ってきた浮世絵・周延」が始まりました。
 当会の所蔵品にも揚州周延の作品がございます。お正月特別企画として江戸の良さを見なおす会のHPに2点掲載しております。
 米カルフョルニア州のスクリップ大の企画展で所蔵するコレクションから59点を選び、全米6大学を巡回し、国内では国際基督教大が唯一の開催となるようです。
 1983年10月13日、芝三光氏はICUの評議会で講演をしております。講義のタイトルは「江戸は何が良いか」でした。偶然に師の命日に、ご縁の大学内での特別展:「帰ってきた浮世絵・周延」を知り「やはり師のお導きでは?」と、心地よい一日でございました。
 

2009年1月9日金曜日

福づくし

 あらたまの ご挨拶を申し上げます


 お陰様を持ちまして、江戸(しぐさ)の良さを見なおす会(茶論)も、結成以来ちょうど35年になりました。本当にありがたいことで、支えてくださった皆様方にはこの場を借りて感謝御礼申しあげます。
 今年からは「江戸の良さを見なおす会」として、本来の江戸の心を世間さまにより一層感じていただこうと思い、「出前講」や書籍等による活動の幅を広げて行こうと考えております。まだまだ大勢の方が「江戸しぐさ」と江戸のシグサを混同なさったり、単に古いマナーと誤解なさっているように思われます。芝氏がおまとめになった様々な文献を基に、皆様に解り易くお伝え出来れば幸いです。

 本年度も、貴家のご清福と貴尊のご無事をお喜び申しあげるものでございます。

- 2009年 年頭 和城伊勢 -


 さて、楽しいお正月いかがお過ごしでございましたでしょうか? 今年はちょっと長いお正月休みでざいましたね。
 お正月といえば、その言葉を聞いた途端にお子さまがいきいき輝く「お年玉」でございますが、江戸では、お金ではなく、大家さんが店子に贈った、御餅のことだったようでございます。芝氏はこうお書になっています。

(江戸っ子新宝より。一部抜粋、ママ)
[ ですから、江戸っッ子の流れをくむ家庭の子弟にね、うっかりお年玉やってご覧なさい。「ボクはこじきではありません!お金はいりません」と言いますよ。でも「ニュー イヤーズ ギフトならください」だって。こじっかりしてるね。さすが現代の江戸っ子、いや東京っ子ですね。お互い考えなくっちゃね・・・。]

 また、大人がいきいき輝く「福袋」でございますが、これも、年の暮れ「江戸の講」に集まり、どのようようなものにするか? みんなで知恵を出し合ったようでございます。つまり講は、商売繁盛の始めの一歩なのです。

 他にも、「恵方詣」は、江戸恒例の行事でございました。お店は自分の店の前を通ってお参りできるようなテダテを考えたそうでございます。また「福歩き」も同様でございまして、お互いのしぐさを見なおす良い機会であったそうです。物を食べながら歩いていると、「動物シグサといって、笑われた!」というのですから・・・。
 今も昔も、お行儀の悪さに対する厳しい目は必要なのですね。

 最後に「お年賀状」ですが、これも虚礼、つまりうわべだけの礼儀ではありません。芝氏はこうもお書きです。

(江戸っ子新宝より。一部抜粋、ママ)
[ しかしね、キミ、年賀状はね、虚礼つまり、うわべだけの礼儀ではないんだよ、
 あれはね、江戸ではね、自分自身と自分の友と、御仏(みほとけ)さまと、ご先祖さまにの四方に、自分が生きているというペナントとメッセージを送るコールサインだ!と教えられたもんだよ、
 コールサインのない放送局はないからね...、
 だから、ケンカした友だちにも出すんだよ...、一方よしたって、まだ三方分残っているんだからね、
 それを覚えておけよな。]
                        
 ※江戸っ子新宝は「江戸の良さを見なおす会」ギャラリー頁に公開予定です。

 今回はここまでとさせていただきます。ごきげんよう!